インタビュー

127.【第2回】母親への子育てインタビュー【勉強との付き合い方】

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こんにちは!田畑です。

 

今回は前回の僕の母親へのインタビューの続きです。

 

テーマ

第1回「時間の管理」

第2回「勉強との付き合い方」←今回

第3回「環境」

 

第2回のテーマは「勉強との付き合い方」です。

 

Q1、田畑家は大学まで進学しない家系でしたが、子育てを始めたときから大学進学を目標にしていましたか?

 

A「いいえ。幼稚園の時から公文を習わせていましたが、それはあくまでも「自律して時間を過ごす」環境を作りたかったからです。学歴に関して言えば高専くらいまで進学してくれたらいいな、という程度でした。公文を習って、先取り学習のおかげで学校での成績も良かったことが中学まで続いたため、小学校高学年くらいから大学を目指す意識が芽生えてきました。

 

 そうだったんですね。中学高校は進学塾に通うことはなかったものの、中学までは成績も上位だったため「ウチの母親は教育ママなんだなぁ」と思ったこともありましたが、そういうわけではなかったようです。

 

Q2、幼稚園の時から公文を習い始めました。宿題はどうしていましたか?

 

A「やったかどうかを見るだけでなく、答え合わせもしていました。学校の宿題も小学校までは全てチェックしていました。

 

 そうなんですよ。ここがみなさんも驚くポイントだと思います。ウチの母親、宿題を全て正解しているかのチェックまでやってたんです。すごいですよね。さらに学校の単元ごとのカラーテストも保存しておいて、間違ったところはノートに母親が問題を作って、自作の問題集も作ってくれていた覚えがあります。問題は教科書やら公文のプリントやらから拾ってきていたらしいです。ここの熱量がすごかったことが、僕と妹の学習内容の習熟に直結していたと感じます。

 やはり、基礎学力の定着は反復学習以外にあり得ません。できるようになるまで、やり方を教えて、時には一緒に解いて、寄り添った指導をしてあげることが重要だと痛感しました。

 

Q3、そんなに勉強を徹底してやらせて子どもは嫌がりませんでしたか?

 

A「あなた(僕)と紅葉(妹)じゃアプローチの仕方が違いましたね。あなた(僕)の場合は、「嫌なら辞めてしまいなさい」と突き放す言葉をかけてもやるタイプでしたが、紅葉(妹)は逆。そんなことを言おうものならすぐに辞めてしまうタイプだったので「終わるまで辞めたらダメ」という風に言ってました。」

 

 この質問に関しては僕の考察も記しておきたいと思います。Q2の回答にあったように、母親は分かるようになるまで勉強を徹底的に教えてくれました。なのでそもそも僕と妹に「わからないからやりたくない」という感情はなかったように思います。塾でもいろんな生徒を見ていると、勉強をやりたくないという根底には「わからないから」という理由が必ず埋め込まれています。わかれば楽しい気持ちが芽生えてくるので、大事なのは「わかるようにしてあげる」ことなんですね。わかれば自ずと次の難易度の問題にも「自分にもできるかな?」という好奇心が湧いてきて好循環が生まれます。

 僕や妹が勉強を嫌がる理由は「友だちと遊んだり、やりたいことをやる時間が無くなるから」というものでした。この問題点に対して僕たちは「学校でやってくる」とかして早めに終わらせておくといった策を生み出したりしていました。

 

Q4、小学校のテスト対策はどうしていましたか?

 

A「普段のカラープリントは特にありません。ただ、間違ったりしていても怒らずに、なんで間違えたかを復習していました。そして、それをまた復習できるように類題を作って解かせていました。そこまでして復習しておけば正しい答えが身に沁み込みます。定期テストになれば、保存しておいた単元ごとのカラープリントを全て見直していました。ただ、見直すのは間違っていた箇所だけです。正答しているところはすでに理解しているところのはずなのでやる必要がないのです。」

 

 とても効率のいい勉強法だと思います。僕も塾での指導は中学生は特にこの指導法を採っています。時間をかければかけるほどいいわけではありません。子どもの体力には限界があるので、全部やり直すとなるとパフォーマンスの維持は不可能です。実際に、テスト前だからと言って根を詰めて勉強をしたという覚えは小学、中学まではあまりなかったと思います。

 

Q5、公文は最終的に僕が中学3年生まで習うことになりました。公文は良かったですか?

 

「良かったと思います。公文は学校の進度に関係なく、その子に合ったペースで学習を進めます。公文の宿題も私は答え合わせをしていたので、子どもたちの身につくスピードも早かったのだと思います。その結果、学校の進度よりも先の学習内容を先取りしていくことができるようになりました。このおかげで学校の授業に余裕を持って臨むことができた点が公文のいいところだと思います。」

 

 公文は算数は計算がメインなのですが、同じ単元でも小学校の何倍もの量をスモールステップでこなすので、しっかり取り組めば否が応でも計算力が伸びます。これを僕と妹は徹底してやっていたので、小学6年の頃には中学3年生で習う因数分解までできるようになっていました。

 計算が得意になることのメリットは「計算が速くなる」だけではありません。例えば文章問題だと、一般の小学生だと「文章を読む」「意味を理解する」「式を立てる」「計算する」という4つの作業をしなければなりませんが、計算が得意だと3つの作業にしか負荷がかからないのです。また、計算で論理的思考力が鍛えられていると「意味を理解する」のも負荷が少なくなります。これによってさらに加速度的に問題をたくさん解けるようになりますし、たくさん解くことでさらに耐性がついてきて好循環が生まれてくるのです。

 愉開塾でも中学生はフォレスタを使って学校の授業よりも先取りを意識した授業を子どもたちに施しています。これによって学校の授業の理解が容易になり、問題を解くときにも負荷が少なくなっているのです。

 

~まとめ~

・宿題は小、中学校までは宿題の出来と学習内容の理解度を確認する。

・ルールを決めて宿題を優先して終わらせる。

・普段の復習を手厚くして、テスト前は簡単な見直しで済ませる。

・先取り学習しとくと学校の授業を余裕をもって受けられる

 

 いかがだったでしょうか?最後は少し僕の話になってしまいましたが…

 僕の母は僕が小学校高学年くらいの時期までは専業主婦でした。そんな一昔前とは異なり、現代は共働きの家庭がほとんどだと思います。そんな中でこんなに手厚く子どもの勉強の面倒を見る時間は少ないかもしれません。しかし、それくらいに家庭でも見てあげないと学力が身につかないのも事実です。

 母親は「時間はひねり出すものです。与えられた時間は平等なのだからそれをいかに使いこなせるか。私は子どもの成長を見るのを楽しみながら、自分も成長するのを楽しんでいました。」と言っていました。共働きで時間がない方も、時間をひねり出して1つでも参考にして実行していただければ幸いです。

 

 ここで1つ逸話を紹介します。

 先ほど僕は小学校6年の時に公文で中学3年相当の計算問題をやっていたと言いました。このときにも母親は僕の宿題をチェックしていました。中学の内容にもなるとかなり難易度が上がってきますが、どうしていたのでしょうか?実は当時働いていたパート先にバイトで来ている大学生にやり方を聞いていたのだそうです。

 

 子どもの成長をどこまで見守るか。見ているだけではなく、どれだけ子どものことを知ろうとするか、そしてそのためにどれだけ行動できるかが大事だと感じました。

 

次回は最後の「環境」について紹介していきます。

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